歯周病のこと

歯周病の原因

歯垢が引き起こす炎症から始まります

ほとんどの歯周病は、歯垢中の細菌による感染症で、歯肉炎と歯周炎に大別されます。
歯のみがき方が悪い人は歯垢が残りやすく、歯周病にかかりやすいといえます。他にも、45歳以上の人、喫煙者、妊娠中の方、糖尿病にかかっている方もかかりやすいので、注意が必要です。

歯周病の症状

気づかぬうちに進行し、最後には歯が抜け落ちます

歯周病の進行は、大きく4段階にわかれます。

01.歯肉炎

歯の周囲の歯肉で繁殖した歯周病菌は、毒素を産生します。この毒素によって歯肉に炎症が起こり、歯ぐきの腫れや出血等の症状が現れます。

02.軽度歯周炎

病状が進行すると歯槽骨の吸収が始まり、歯と歯肉との間に歯周ポケットという隙間ができます。

03.中度歯周炎

歯周ポケットの中は歯周病菌が繁殖しやすい環境なので、歯周病菌が繁殖して、毒素が産生されると歯を支える歯槽骨が徐々に溶けていきます。

04.重度歯周炎

歯槽骨が溶けると歯を支える力が弱まり、歯がグラグラしてきたり、歯肉が下がったり、最終的には歯が抜けることもあります。

歯周病が進行すると、歯周病菌が口腔内の毛細血管を通して全身の臓器に運ばれ、糖尿病、心筋梗塞、肺炎、動脈硬化、早産、低体重児出産、脳卒中等の全身疾患を引き起こす可能性があります。日頃の口腔ケアや、早期発見・治療が大切です。

歯周病ケア

予防 歯周病の予防

歯周病予防の基本は歯垢や歯石が付かないようにすることです。
まずは、毎日の歯みがきをしっかり行いましょう。歯科医院での定期的なクリーニングも重要で、歯石除去は3~6ヶ月の間隔で行うのがおすすめです。

治療 歯周病の治療

歯周病の原因である歯垢や歯石を除去したり、症状の進行を防止するための治療が行われたりします。
歯石の除去は、歯周ポケット内はもちろん、手術で歯ぐきを切開し、見えない深い場所や歯の間の歯石も除去します。さらに、デコボコした歯槽骨の形を整えたり、歯周ポケットを減らしたりして清掃しやすい環境にします。
傷みや腫れがひどい場合は、抗生物質を投与したり、咬み合わせを弱くしたりして症状を和らげます。隣の歯に移る恐れがある場合は、抜歯を行うこともあります。
また、症状の進行を阻止するため、細菌の繁殖の原因となる不適合な詰め物・被せ物がある場合は修正を行います。咬み合わせが悪い場合も、歯槽骨の吸収が進行しますので、調整を行います。

歯石除去 不適合な詰め物・被せ物の修正

メンテナンス 定期的なメンテナンス

歯周病の治療を受けると歯周病菌が減少し、歯ぐきが良好な状態になります。しかし、治療終了後に定期的なメンテナンスをしないと歯周病菌が再び増殖したり、咬み合わせが変わったりして歯周病が再発することがあります。
定期的に歯科医院を受診して、歯の清掃や口内環境のチェックを受けるようにしましょう。受診間隔は、歯周病でない方で1年に1回以上、治療前の状態が悪かった、もしくは歯みがきがあまりうまくない場合は1~3ヶ月に1回の間隔での受診をおすすめします。