腸活とは?健康や美容への効果と腸内フローラを整える正しいやり方を解説!

健康や美肌への効果が期待できることから、SNSやテレビ、雑誌などで話題になっている「腸活」。

しかし、腸活に興味はあるけど、何から始めれば良いのかわからないという人も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、腸活の目的や期待できる効果、正しいやり方などについて詳しく紹介します。

腸活に興味がある人は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

 

腸活とは

腸活は心身の健康を維持するために、「バランスの取れた食生活」「適度な運動」「良質な睡眠」によって腸内環境を整えることを指します。

では、なぜ腸内環境を整えると心身の健康に繋がるのか「腸内細菌の働き」にスポットを当てて、腸活の目的について詳しく見ていきましょう。

 

腸内フローラってなに?

私たちの腸には、約100兆個、約1,000種類もの細菌が棲みついています。

腸内細菌は、大きく分けて「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」の種類があり、それぞれが小さな集合体をつくりバランスを取りながら棲んでいます。

これら全体の集合体は、顕微鏡で見るとお花畑(flora)のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。

出典:腸内細菌と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)清水 純

 

腸内細菌の主な働きは以下の通りです。

腸内細菌の理想的なバランスは「善玉菌2:日和見菌7;悪玉菌1」といわれており、悪玉菌より善玉菌の割合が多いと、腸内細菌がしっかり働いてくれるので良好な腸内環境が保てます

 

腸活の目的

善玉菌をはじめとする腸内細菌は以下のような働きをしています。

【1.ビタミンの合成】

 食べ物を分解して、ビタミンB1・B2・B6・B12・ビタミンK・葉酸などの栄養素をつくる

【2.免疫力を高める】

 体の免疫機能を高め、血清コレステロールを低下させる

【3.有害物質の産生を抑える】

 発がん性のある腐敗産物の産生を抑える

【4.感染防御】

 病原菌からの感染を防ぐ他、外来菌の増殖を抑える

 

善玉菌優位のバランスがとれた腸内環境だと、腸内細菌がしっかり働いてくれるので、健康な身体を維持することができます。

しかし、腸内細菌のバランスは、偏食・ストレス・睡眠不足・運動不足・生活習慣の乱れなどの影響によって、簡単に乱れてしまいます。

腸内環境の乱れは、下痢や便秘などの不調のほか、全身の病気にも繋がるので注意が必要です。

従って、腸内環境のバランスを整える習慣を作り、心身の健康につなげる「腸活」が私たちにとって、とても重要なのです。

 

腸活に期待できる効果

ここからは、腸活によって得られる具体的な効果について解説していきます。

 

免疫力の向上

わたしたちの体には、外部から侵入した細菌やウイルスなどを排除して防御する免疫機能が備わっています。

この役割を担っている免疫細胞は、骨髄や胸腺から生まれ、血液とリンパ液中を流れながら体を守るために働いています。

もっとも免疫細胞が多いのは、小腸にある粘膜でなんと免疫細胞の約70%が腸内に存在しているといわれています。

そのため、腸活によって腸内環境を整えることで、免疫力の維持・向上効果が期待でき、病気にかかりにくい体をつくることができるのです。

 

ダイエット効果

腸内細菌には、摂取したオリゴ糖や食物繊維を分解・発酵し、有機酸の一種である短鎖脂肪酸を作り出す働きがあります。

短鎖脂肪酸である「酢酸」、「プロピオン酸」、「酪酸」は、腸内環境を弱酸性にして悪玉菌の増加を防ぐだけでなく、ダイエット効果もあるといわれています。

たとえば、過剰な脂肪が体内に蓄積するのを防いだり、脂肪の燃焼効果を高めたりする働きが報告されています。

 

美肌効果

腸内環境は、肌に大きな影響をあたえます。

腸内環境が乱れた腸内は、悪玉菌が増加し、アンモニアや硫化水素などの有害物質が充満した状態です。

これらの有害物質は腸から吸収され、血液によって体内を巡り、肌に到達します。

有害物質の影響を受けた肌は、肌荒れや吹き出物、ニキビなどの症状を引き起こしてしまうのです。

「肌荒れが気になる」という人は、腸内環境の改善を目指すと良いでしょう。

 

便秘改善

便秘ぎみの人は、腸活を行うことで便秘の改善効果が期待できます。

腸内環境の乱れによって悪玉菌が増え、腸のぜん動運動が鈍くなってしまうのが、便秘の主な原因です。

善玉菌のひとつである乳酸菌は、乳糖やブドウ糖を分解して乳酸をつくり、腸内を善玉菌にとって居心地の良い酸性(弱酸性)に保ってくれます。

酸性で保たれた腸内は、悪玉菌の増殖が抑制されるため、腸のぜん動運動が活性化し、理想的な排便を促してくれるのです。

 

精神の安定

脳や腸では、神経伝達物質の「セロトニン」が分泌されています。

幸せホルモンと呼ばれているセロトニンには、精神を安定させる働きがあり、不足するとイライラしたり気分が落ち込んだりしてしまいます。

セロトニンの合成には腸内細菌が大きく関わっており、なんと体内の約90%のセロトニンが腸内に存在しているのです。

そのため、腸内環境を整え、セロトニンの分泌を活性化すると、精神的な安定や多幸感をより感じやすくなるといわれています。

 

睡眠の質の向上

腸内細菌は、食べものから摂取したたんぱく質を分解・合成し「トリプトファン」という必須アミノ酸を作り出します。

トリプトファンは、幸せホルモンの「セロトニン」や睡眠ホルモンの「メラトニン」の生成に関わりがあります。

メラトニンには、眠りを誘う作用があるため、腸活で腸内細菌の働きを良くすることで睡眠の質の向上効果が期待できます。

 

腸活の効果はいつ頃から実感できる?

「腸活はいつ頃から効果が実感できるの?」と、疑問を持っている人が多いのではないでしょうか。

腸活の効果は、一般的に3ヶ月程度で感じることができるといわれていますが、早い人だと2週間〜1ヶ月程度で体調の変化を感じ始めます

 

腸活の効果には個人差があるため、なかなか変化を感じることができず、途中でやめてしまう人もいるかもしれません。

しかし、腸活は最低でも3ヶ月以上続けることが大切です。

腸内環境は良くも悪くも日々変化します。

腸活を習慣化することで、しだいに体調の変化を感じることが期待できるため、諦めず続けることが大切です。

 

効果が実感できる!腸活の正しいやり方

ここからは、「腸活といってもなにから始めれば良いか分からない」という人に向けて、腸活の正しいやり方を【食事編】【運動編】【睡眠編】にわけて、詳しく解説していきます。

 

【食事編】腸活のポイント

食事は、善玉菌を直接摂取することができるので、腸活においてもっとも重要です。

菌の種類や特徴に適した方法で摂取すると、より高い効果を実感することができます。

ここからは、腸活における食事のポイントを3つに分けて解説していきます。

 

①「プロバイオティクス」が含まれる食品で善玉菌を補う

「プロバイオティクス」とは、「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」と定義されており(Fuller(1989))、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌が含まれます。

出典:プロバイオティクス|公益財団法人 腸内細菌学会

 

【代表的なプロバイオティクスと含有食品】

  • 乳酸菌・・・味噌、キムチ、チーズ、ヨーグルト、乳酸菌飲料
  • ビフィズス菌・・・ヨーグルト
  • 納豆菌・・・納豆
  • 酪酸菌・・・ぬか漬け
  • 麹菌・・・甘酒・麹

 

各プロバイオティクスの働きは以下の通りです。

プロバイオティクス働き
乳酸菌糖から乳酸を作って悪玉菌の増殖を抑える
ビフィズス菌病原菌の感染や腐敗物を生成する菌の増殖を抑える
納豆菌悪玉菌を抑制して善玉菌を活性化させる
酪酸菌酪酸を生成し、悪玉菌の働きを抑制する
麹菌消化酵素を生産し消化を助ける

腸内の善玉菌を活発にする

【参考】厚生労働省|e-ヘルスネット

生きた善玉菌であるプロバイオティクス食品を食べることで、腸内に善玉菌を補うことができます。

ただし、生きた微生物といっても、市販の食品は製造の段階で加熱殺菌されているものが多いので、全ての菌が生きたまま腸に届くわけではありません。

ですが、死んだ菌も他の善玉菌のエサになり、腸内環境の改善に役立ってくれます。

 

②「プレバイオティクス」が含まれる食品で善玉菌を育てる

「プレバイオティクス」とは、自らが善玉菌のエサになることで善玉菌を育て、腸内環境を整える難消化性食品成分のことを指します。

 

【代表的なプレバイオティクスと含有食品】

  • レジスタントスターチ・・・冷えたご飯、ポテトサラダ、冷製パスタ
  • 水溶性食物繊維・・・海藻類、フルーツ、ネバネバ食品(なめこ・オクラ・めかぶ)
  • 不溶性食物繊維・・・納豆、根菜類、穀類
  • オリゴ糖・・・アスパラ、ニンニク、バナナ、はちみつ、大豆食品

 

各プレバイオティクスの働きは以下の通りです。

プレバイオティクス働き
レジスタントスターチ直腸まで善玉菌を運び、必要な短鎖脂肪酸を供給する
水溶性食物繊維腸内細菌のエサになり善玉菌を増やす

コレステロールや糖の吸収を抑制する

不溶性食物繊維便の嵩(カサ)を増やす

腸に刺激(便意)を与える

オリゴ糖消化吸収されずに大腸に届き、善玉菌のエサとなって善玉菌を増やす

【参考】厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020 年版)

厚生労働省|e-ヘルスネット

 

食事から摂取したプロバイオティクスやプレバイオティクスは、便として排泄されてしまうため、腸内に定着させておくことはできません。

良い腸内環境を保つには、毎日の食事からコツコツ摂取することが大切です。

また、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」を組み合わせて摂取することを「シンバイオティクス」といいます。

両方の食材を組み合わせて摂取することで、腸内環境の改善により高い効果が期待できます。

————————————————————————————————————

【シンバイオティクスのおすすめレシピ】

バナナとはちみつ入りヨーグルト 

  • プロバイオティクス:ヨーグルト(乳酸菌やビフィズス菌)
  • プレバイオティクス:バナナ、はちみつ(オリゴ糖)

なめことわかめの味噌汁 

  • プロバイオティクス:味噌(麹菌)
  • プレバイオティクス:なめこ、わかめ(水溶性食物繊維)

————————————————————————————————————

 

③腸内フローラのバランスを乱す食べ物の摂取を控える

下記の飲食物は、悪玉菌を増やし腸内フローラのバランスを乱す原因になるので、なるべく摂取しないよう注意しましょう。

  • 動物性たんぱく質や脂質を多く含む食べ物
  • 食品添加物が多く含まれる加工食品
  • アルコール

とくに、ファストフードやインスタント食品には、保存料や乳化剤などの食品添加物が大量に使われています。

このような食品を食べると、悪玉菌のエサとなる動物性タンパク質や脂質を多く摂取してしまうので注意が必要です。

 

【運動編】腸活のポイント

腸の動きには自律神経が関わっています。

自律神経とは、体の機能をコントロールする神経のことで、体と心を活動的にする交感神経と、リラックスさせる副交感神経がバランスを取りながら私たちの体を支えています。

腸の動きは、副交感神経が優位なときに活発になり、交感神経が優位なときには鈍くなります。

交感神経は、集中している時やストレスを感じている時に優位になるので、適度な運動を取り入れて自律神経のバランスを整えるようにしましょう。

 

ちなみに、ハードな運動はストレスを感じて副交感神経が抑制されてしまうので、ウォーキングやストレッチなど軽めの運動の方が効果的です。

腸活として、おすすめの運動・ストレッチを3つ紹介します。

 

①ストレス発散になる軽めの運動

軽めの運動はストレス発散になる他、筋肉を動かすことで血流が促され、腸の働きを活性化させる効果があります。

おすすめは1日30分程度(5000〜8000歩程度)の軽いウォーキングです。

姿勢を真っ直ぐに保ち、大股で膝が自然と伸びているのを意識して歩くと、便を押し出す腸腰筋を鍛えることができます。

 

②腸に刺激を与えるストレッチ

腸に刺激を与えて排便を促すストレッチもおすすめです。

寝ながらできる「ガス抜きのポーズ」と「お腹ひねりストレッチ」を紹介します。

朝起きたときや、夜寝る前の習慣としてぜひ取り入れてみてください。

 

【ガス抜きのポーズ】

  1. 仰向けになり、両手で両膝を抱える
  2. 息を吐きながらひざを胸に引き寄せて、上体を起こす
  3. 太ももで下腹部を圧迫し、お尻をやや持ち上げた状態でキープする
  4. ゆっくりと5回呼吸をして、身体を1.の状態に戻す

ポイント

両膝を抱えるのが難しい場合は、片膝ずつ抱えて同じように行いましょう

 

【お腹ひねりストレッチ】

  1. 仰向けになり、両手を頭上にあげる
  2. 両膝を揃えて立て、息を吐きながら身体の側面を伸ばすように膝をゆっくりと倒す
  3. 息を吸う・吐くを3回繰り返したら、同じように反対側に向けて膝をゆっくりと倒す

ポイント

  • 膝は床につかなくても問題ありません
  • 膝を倒すときに両肩が浮かないようにしましょう

 

【睡眠編】腸活のポイント

腸の働きを活発にする副交感神経は、リラックスしているときや睡眠時に優位になります。

そのため、腸内環境を改善するためには、良質な睡眠が欠かせません。

ここでは、良い睡眠をとるための4つのポイントを紹介します。

 

①毎朝同じ時間に起床して朝日を浴びる

副交感神経は、午前0時頃にもっとも高まるといわれています。

そのため、腸の活動を促すには、夜は午前0時頃までには就寝するのが理想です。

 

私たちが眠っている間には、睡眠ホルモンの「メラトニン」が働いています。

このメラトニンは、体内時計によって覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りに導いてくれる作用があります。

そのため、不規則な生活によって体内時計が乱れると、メラトニンの生成や分泌に影響を与えてしまうので注意が必要です。

体内時計の乱れは朝日を浴びることでリセットされるので、毎朝同じ時間に起床して朝日を浴びるようにしましょう。

 

②就寝前にスマホやパソコンは使わない

メラトニンの分泌は、主に光によって調節されています。

そのため、夜間に強い光を浴びると、体内時計が乱れてしまいメラトニンの分泌が低下してしまいます。

メラトニンの分泌低下は自律神経の乱れにもつながるため、就寝前にスマホやパソコンなどは使わないようにしましょう。

 

③就寝前の寝酒・喫煙・カフェインは避ける

お酒には一時的な入眠作用があるため、寝つきが悪いときに寝酒を飲む人もいます。

しかし、アルコールの入眠作用は3時間程度です。

さらに、アルコールの利尿作用や、アルコールが代謝されたときに発生するアセトアルデヒドの覚醒作用によって、睡眠の質は著しく低下してしまいます。

タバコに含まれるニコチンやコーヒー、緑茶などに含まれるカフェインにも覚醒作用があるので、就寝前の寝酒・喫煙・カフェインの摂取は避けるようにしましょう。

 

④起床時に白湯を飲む

朝起きたらコップ1杯の白湯を飲んで、腸に刺激を与えましょう。

白湯を飲むことで、消化管が刺激され活動のスイッチを入れることができます

腸内が水分不足になると、悪玉菌が増えて腸内環境が悪化したり、自律神経が乱れて腸のぜん動運動が弱まったりする恐れがあるので、水分補給はこまめにすることが大切です。

 

まとめ

腸活において重要なことは、「バランスの取れた食生活」「適度な運動」「良質な睡眠」を日頃から心がけることです。

とくに、シンバイオティクスを意識した食生活は、腸内細菌のバランスを整える上でもっとも重要といえます。

 

食生活を変えるのが難しい人や、すでに便秘や下痢のようなお腹の不調を感じている人は、整腸薬や胃腸薬で腸内環境を整えるのもひとつの方法です。

 

市販薬を選ぶ際は、善玉菌を補うプロバイオティクス(乳酸菌・麹菌)と、善玉菌のエサになり善玉菌を育てるプレバイオティクス(食物繊維)の両方が含まれているものを選ぶと良いでしょう。

加えて、ビタミンやミネラルなどの栄養素も含まれているものなら、整腸の他、栄養補給にも役立ちます。