食欲がないのはなぜ?食欲不振の症状や原因・正しい対処法を解説!

「最近、食が細くなった」「食欲がわかない」といった悩みを抱えてはいませんか。

一時的な食欲不振は珍しいことではありませんが、放置してしまうと十分に栄養が摂れず体調に異変を来す恐れや、なかには心身の病気が関わっている可能性もあります。

この記事では、食欲がない場合の原因や正しい対処法について解説していきます。

食欲不振」に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

 

食欲不振(食欲がない)とは

食欲不振とは、何らかの理由で食欲を感じにくくなっている状態を指します。

通常、人は血糖値が下がり、胃が収縮(お腹が鳴る)して、脳の視床下部にある摂食中枢が刺激されることで「お腹が空いた」と感じます。

食欲不振は、食欲を感じなくなっているだけで、食事が必要なくなったわけではありません

低栄養状態は身体にも心にも影響を及ぼします。

食欲不振の症状がある場合は、適切に対処し、早急に症状の改善に努めることが大切です。

 

食欲不振(食欲がない)の特徴

食欲不振時の主な特徴は以下の通りです。

  • 食事をしても美味しく感じない
  • 2週間以上食欲がない状態が続いている
  • 食事は摂っているが体重が減ってきた
  • 最近あっさりしたものばかり食べている
  • 食事を摂ることを忘れることがある
  • お腹は空いているが、食べ物を食べたいと思わない

食べ過ぎなどで一時的に食欲がなくなることは珍しくありませんが、数日に渡って食欲がない状態が続くようであれば、何らかの原因が関わっていると思ったほうが良いでしょう。

 

食欲不振が起きる原因

食欲がなくなってしまう原因はさまざまです。

食欲不振が起こる主な原因について解説しますので、当てはまるものがないかぜひチェックしてみてください。

 

ストレス・不安

人は過度のストレスが続くと、自律神経のバランスが崩れてしまいます。

自律神経とは「交感神経」と「副交感神経」の2つのことを指します。

交感神経は、体を活発に動かすときや緊張しているときに優位になる神経で、副交感神経は、リラックスしている時に優位になる神経です。

食べ物の消化吸収は「副交感神経」が優位な状態のときに促されます。

しかし、ストレスや不安は自律神経に影響を及ぼし、緊張状態を引き起こす「交感神経」が優位になってしまいます。

交感神経が優位な状態は、胃や腸の働きが抑制されるため、食欲不振や胃もたれなどの症状が起こりやすくなってしまうのです。

さらには、ストレスのせいで亜鉛が不足すると、味覚の鈍化が起こることがあります。

ストレスにより味覚を感じにくくなるため、食欲が低下してしまうのです。

 

不規則な生活

寝不足や乱れた食習慣といった、不規則な生活も食欲不振の原因になりやすいです。

生活の乱れは、ストレスや不安と同様に自律神経に影響を及ぼします。

就寝前に食事を摂ったり、過度に飲酒をしたりすると、消化が間に合わず胃もたれや消化不良を引き起こし、翌日の食欲不振につながるので注意しましょう。

 

季節の変わり目

季節の変わり目などの環境の変化が食欲に影響を与えることがあります。

環境の変化は自律神経にも影響しやすく、健康な人であっても夏バテのように体調を崩しやすくなります。

だるい、疲れが取れないといった症状とともに食欲が減退することも珍しくありません。

 

便秘・下痢

便秘や下痢といった症状が食欲不振を引き起こすこともあります。

便秘や下痢はそれだけで体に多大なストレスを与えます。

便秘はお腹が張って苦しくなり、食欲の低下を招きます。

下痢は脱水や栄養障害により心身共に負担がかかり、食欲が低下することが多いです。

便秘や下痢を長期間くりかえす場合「過敏性腸症候群」の可能性があるので、該当する人は、医療機関に相談するようにしましょう。

 

加齢

加齢も食欲不振の原因のひとつです。

年齢とともに運動量が少なくなったり、筋肉量や基礎代謝が低下したりすると、お腹が空いたと感じにくくなります。

また、食べ物が上手く飲み込めなくなる嚥下障害や、味やにおいを感じにくくなることも食欲不振の一因です。

高齢になると、消化吸収を司る臓器、特に胃腸の機能が低下します。

食べたものを体内で処理しきれないので、消化不良や胃もたれの症状が引き起こされやすくなり、食欲の低下に繋がってしまうのです。

若い時と比べて食べられなくなることは自然なことですが、体調不良や病気が影響している場合もあるので、体のだるさなどの症状が続く場合は、医療機関に相談するようにしましょう。

 

食欲がない時の対処方法

食欲がない時は、胃腸を労わり無理をしないことが大切です。

症状を悪化させないためにも、以下の対処方法を参考に生活習慣を見直してみることをおすすめします。

 

食べ物・食べ方を工夫する

食欲がない時は、無理に食べる必要はありません。

無理に食べるとかえってストレスになってしまうので、食べ物や食べ方を工夫して必要な栄養を摂るようにしましょう。

【食欲がない時の食事のアドバイス

  • 繊維の多いものや脂っこいものなど消化に時間がかかるものは避ける
  • 胃酸の分泌を高める食品(酢の物・柑橘類)は避ける
  • 胃腸に負担をかける刺激があるもの(香辛料・カフェイン)は避ける
  • 胃腸に負担をかける加工食品(ハム・ベーコン・ウィンナー)は避ける
  • ニオイが強いものは避ける
  • のどごしの良いものや柔らかいものなど、食べやすい食品を選ぶ
  • 卵や乳製品、豆腐など少量でも栄養価の高い食品を選ぶ

 

食欲がない時には、下記表のように消化に良い食品を選ぶようにしましょう。

消化に良い食品消化に悪い食品
主食おかゆ
ごはん
うどん
玄米
スパゲティ
ラーメン
そば
主菜ささみ
赤身肉
白身魚
卵料理
豆腐料理
納豆
バラ肉
加工品(ベーコン・ハム・ウィンナー

まぐろ
イカ
タコ
副菜白菜
キャベツ
ほうれん草
大根
にんじん
ごぼう
れんこん
きのこ
海藻類
果物りんご
バナナ
みかん
グレープフルーツ
キウイ
その他牛乳
ヨーグルト
チーズ
スパイス
唐辛子
アルコール
コーヒー

 

【食欲がない時の食べ方のアドバイス】

  • 1回の食事の量を減らし、複数回に分けて食事を摂る
  • 調理方法を工夫する
  • 楽しく食事ができる環境をつくる

食欲がない時は無理に食べようとせず、食事量を減らしたり、複数回に分けて食べたりするなど、自分のペースで食事を摂るようにしましょう。

調理方法は「茹でる<蒸す<煮る<炒める<揚げる」の順に脂質が多くなります。

脂肪分が多くなると、消化に時間がかかり、胃腸の負担にもなるので、なるべく「茹でる・蒸す・煮る」のいずれかの調理工程を選ぶのがおすすめです。

また、家族や友人と会話しながら楽しく食事をしたり、音楽をかけながらリラックスして食事をしたりするなど、食事環境を工夫するのも良いでしょう。

 

規則正しい生活を意識する

食欲が落ちているときは、規則正しい生活を意識することが大切です。

睡眠不足や疲れの蓄積は自律神経を乱し、食欲不振の原因となってしまいます。

できるだけ規則正しく睡眠をとり、夜更かしや運動不足を解消するよう心がけましょう。

また、乱れた食生活はダイレクトに食欲に影響するため、寝る直前の食事や飲酒は控えることが大切です。

 

ストレスをためない環境を整える

精神的ストレスは食欲不振を引き起こす原因のひとつ。

もしストレスを感じているのなら、ストレスをためない環境を整えることが大切です。

ただし、ストレスを解消するために暴飲暴食、夜更かしに走るのは逆効果です。

ストレス解消のためには、湯船にゆっくりつかったり、軽い運動をしたり、趣味を楽しんだり、心身ともにリラックスすることが大切です。

ストレスの原因がわかっているのなら、その原因から距離をとることも検討すべきでしょう。

 

胃腸薬・栄養補助剤や栄養補助食品を利用する

食欲がない時は、無理に食べようとせず、栄養補助剤や栄養補助食品などに頼るのもひとつの方法です。

食欲不振の他に胃に不快感がある時は、症状にあわせて適切に胃腸薬を服用するようにしましょう。

胃腸薬には大きくわけて下記の種類があります。

薬のタイプ症状
消化酵素食べ過ぎや胃の働きの低下により、消化不良や胃のもたれがある
制酸薬胃酸の分泌過剰による胃の不快感
胃粘膜保護空腹時の胃痛
抗コリン薬ストレスや疲れからくる胃痛

どうしても食べられないときは無理をせず、適切な胃腸薬や栄養補助剤、栄養補助食品を上手に活用しましょう。

 

【注意!】食欲不振を引き起こす病気

食欲不振は適切に対処することで軽快するものがほとんどですが、中には心身の病気が関わっている場合もあります。

食欲不振が続いている期間が長い、または発熱等の症状を伴っている、他にも気持ちの面でも気になる症状があれば、自己判断せずに早めに病院を受診するようにしましょう。

 

食欲不振の症状を伴う主な病気は以下の通りです。

疑いのある病気症状診療科
うつ病・食欲不振
・抑うつ気分
・興味や喜びの喪失
・倦怠感
・精神科
・心療内科
神経性やせ症(拒食症)・食事量や回数を極端に減らしてしまう
・体重増加への嫌悪感
・精神科
・心療内科
機能性ディスペプシア・食欲不振
・慢性的なみぞおちの痛み
・胃もたれや満腹感
・胃痛
・原因となる疾患がないのに症状が続く
・消化器内科
・胃腸内科
逆流性食道炎・食欲不振
・胸やけ
・呑酸
・喉が焼けるような感覚
・嘔吐
・一般内科
・消化器内科
感染性胃腸炎・食欲不振
・発熱
・頭痛
・吐き気
・一般内科
慢性胃炎(ピロリ菌胃炎)・食欲不振
・胸やけ
・げっぷ
・一般内科
・消化器内科
胃潰瘍・十二指腸潰瘍・食欲不振
・食後や空腹時の腹痛
・胃もたれ
・吐き気
・胸やけ
・消化器内科
甲状腺機能低下症・食欲不振
・疲労感や無気力感
・体重増加
・むくみ
・便秘
・内分泌科
・耳鼻咽喉科
がん(胃がん・すい臓がん・大腸がんなど)・食欲不振
・胸やけ
・吐き気
・腹痛
・黄疸
・腰や背中の痛み
・下痢と便秘を繰り返す(大腸がん)
・血便
・体重の減少
・消化器内科

※機能性ディスペプシアとは、症状の原因となる明らかな異常がないのに、慢性的にみぞおちの痛み(心窩部痛)や胃もたれなどの症状が継続的に続く病気のことを指します

 

食欲不振についてのよくある質問

最後に、食欲不振についてのよくある質問にお答えしていきます。

 

お腹は空いているのに食欲がないのはなぜですか?

お腹は空いているはずなのに食欲がないと感じる場合、ストレスの可能性があります。

前述した通り、食べ物の消化吸収を促進するのは「副交感神経」が優位な状態です。

ストレスによって緊張状態が続くと、交感神経が優位となり消化吸収の働きが鈍ってしまいます。

ストレスや疲れが食欲不振の原因となっている場合、まずは規則正しい生活やストレスの解消を心がけましょう。

 

食欲がない時は何を食べれば良いですか?

食欲がない時には、栄養価が高く、少量でも栄養を補える食品を選ぶようにしましょう。

体力を維持するためには、タンパク質やビタミン、ミネラルなどを摂ることが大切です。

前述した「消化に良い食べ物」のなかから、食べられそうなものを選びましょう。

例えば、おかゆやうどん、豆腐、ヨーグルトなど、さっぱりとしていて、のどごしが良い食品がおすすめです。

また、栄養補助剤や栄養補助食品、胃腸薬などの医薬品に頼るのもひとつの方法です。

 

食欲不振の症状がある場合何科に行けば良いですか?

前述した「食欲不振を引き起こす病気」に当てはまる症状があれば、該当の診療科を受診してください。

何科に行けばよいかわからない場合は、まずは一般内科を受診しましょう。

これといった症状がないにも関わらず、食欲不振が2〜3週間以上続いていたり半年間のうちに5%以上の体重が減少したりといった場合は、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。

 

まとめ

食欲がないという症状は珍しいものではありませんが、放置してしまうと十分に栄養が摂れず、体調に異変を来す恐れがあります。

食欲不振の症状を軽く考えずに、適切に対処することが大切です。

食欲不振が続いている時は、生活習慣やストレス、飲酒や食べ過ぎといった原因を見直してみましょう。

また、胃腸薬や栄養補助剤、栄養補助食品で適切にサポートをしてあげることも大切です。

対処しても食欲不振が回復しない、あるいは腹痛や発熱といった他の症状も伴っているという場合は、一刻も早く医療機関を受診するようにしましょう。